ブルーライトカット効果をJINSメガネの透過率を使って検証してみた

ブルーライトカットメガネ(PCメガネ)が世に出てきて久しいですが、自分は本当に効果があるのか、わざわざ買う必要があるのか、疑っています。そしてPCメガネを売るがための宣伝で、多くの人がブルーライトについて誤解しているようです。そこでデータを使って詳しくシミュレーションなども行い、検証してみました。結果を先にまとめると、このようになっています。

  • ブルーライトが有害だとする医学的、科学的に有力な根拠はない
  • 青い光よりも白い光の方がブルーライトが多い
  • LEDディスプレイは従来のものよりブルーライトが少ない
  • 実用的なブルーライトカット率は広告表示よりも低く、色味のついたレンズで約30%、クリアタイプで約10%
  • ディスプレイの明るさを下げればPCメガネと同等の効果
  • 効果があるという人が感じているのはプラシーボ効果

以下、詳しくみていきましょう。

誤解をまねくJINSの宣伝文句

JINS(ジンズ)はブルーライトカットメガネの先駆けで、「ブルーライトを大幅にカット」という売り文句で大々的に広告を打ってヒットしました。ブルーライトカットの眼鏡は付加価値が高く、JINSの場合(JINS SCREENレンズ)は値段がプラス5,000円、ZoffのPCレンズは値段がプラス3,000円。しかもふだん眼鏡をしない顧客層もとりこめるのでビジネスとしてはかなりの成功と言えるでしょう。しかし、その宣伝文句はかなり誤解を与える書き方となっています。こちらがJINSの「ブルーライトが私たちの眼に及ぼす影響」ページからの抜粋。

日常的に浴びる光の中でもブルーライトは紫外線級に強い光。身体への影響が懸念されます。ブルーライトとはパソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイから発せられる強力な青色光のことを指します。紫外線と波長が近い380~500ナノメートルの光で、可視光線の中でも非常にエネルギーが高く、網膜にまで到達するほど

「ブルーライトは紫外線級に強い光」

紫外線が目に有害で、白内障などを引き起こすのはわかっていますが(安藤、1990)、日常的にふれるブルーライトが有害である(しかも紫外線級に強い)という有力な研究はありません。眼光学の専門家、筑波大学の大鹿哲郎教授によると「眼精疲労の原因として、同じ距離に焦点を固定させた作業や眼の病気、ストレスなどがわかっている。しかし、青色光が有害だとする有力な証拠はまだない」とのこと。(2012年10月30日朝日新聞)

参考:Ando, Mitsuru. “Risk evaluation of stratospheric ozone depletion resulting from chlorofluorocarbons (CFC) on human health.” Nippon Eiseigaku Zasshi (Japanese Journal of Hygiene) 45.5 (1990): 947-953.

「LEDディスプレイから発せられる強力な青色光」

「以前は問題なかったのにLEDディスプレイが登場してブルーライトの問題が深刻になってきている」ような印象を与える文章です。下に詳しく説明していますが、実際のところ、LEDディスプレイは従来のディスプレイよりもブルーライトの放出量が少なくなります。さらに、屋外の昼光に含まれるブルーライトの方がLEDディスプレイよりも圧倒的に強力です。

「網膜にまで到達するほど」

このような書き方だと「可視光の中で青色だけが網膜に届く」「網膜に届くのは危険」と思い込んでしまう人もいると思いますが、これは間違い。そもそも光は網膜に到達しなければ見えませんし、すべての可視光は網膜まで到達します。

この文章だとPCモニターや照明を作っている会社が風評被害にあってもおかしくありません。実際、東芝ライテックのページでは、かなり明るいLED照明でも青色光が人体に影響がないことが科学的に説明されています。

ブルーライトとは

そもそもブルーライトとは何か。

まず、光は電磁波の一種で、波長を持っています。人間の目に見える範囲の光を可視光と呼び、JIS Z 8120規格によると「可視放射の波長範囲の短波長限界は360〜400nm 、長波長限界は760〜830nmにあると考えてよい。」とのこと。

この可視光のうち、青色部分がブルーライトになります。ブルーライトの波長の範囲は厳密には定義されていませんが、JINS、ZOFF、ブルーライト研究会のサイトでは380nm~500nmの範囲と記載されています。

ブルーライトの量はブルーライトの波長領域に含まれる光の量で決まります。例えば下はMacBook Pro(2011年)のディスプレイに白を表示したときの分光分布。分光分布とは、波長ごとの光の強さを(分光放射輝度計で)測定したものです。この青色部分の面積がブルーライトの量ということになります。

ここでは縦軸が大切で、絶対値(単位:放射輝度 [W/sr/m2] )である必要があります。(ネット上によくある)縦軸がはっきりしないグラフや、正規化されたデータでは判断できません。

ブルーライトの量が多いのはどっち?

多くの人の誤解をとくべく、ここではいくつかの例をあげてみます。

青 vs 白

R=0
G=0
B=255
R=255
G=255
B=255

ここに青の四角と白の四角がありますが、どちらの方がブルーライトの量が多いでしょうか。直感的には青の四角の方が多い気がしますが、これは間違い。実は白の四角の方が多いのです。

そもそも白色というのは色々な波長の光が混ざってできています。ディスプレイの場合、赤、緑、青(RGB)を混ぜて白色がつくられます。こちらはMacBook Pro(2011年)で赤・緑・青の各色を表示させたときの分光分布データ。

このデータをみると、各色に波長幅があり、例えば緑はブルーライト領域にも光を出していることが分かります。なので上の青と白の四角の例では、ディスプレイの青チャンネルからの出力は同じですが、白の四角は緑チャンネルからの出力もあるのでブルーライトの量が多くなります。実際、MacBook Pro(2011年)のディスプレイの分光分布データを使ってシミュレーションした結果、白色の方が青色よりも10%ほどブルーライトの量が多くなりました。(数値はディスプレイの光源によって異なりますが、常に白色の方が青色よりもブルーライトの量が多くなります)

ブルーライトの量はブルーライトの波長領域に含まれる光の絶対量で決まります。青色に見えるからといってブルーライトの(絶対)量が多いとは限りません。逆に黄色に見えて(=青みが少ない)いても、すごく明るい光ならブルーライトの量が少ないとはいえません。

昼光 vs LED

LEDモニターと屋外の昼光ではどちらがブルーライトの放出量が多いでしょうか。まず、LEDモニターと屋外の昼光の分光分布の形を比較するとこのようになります。縦軸は最大値を1に正規化した相対値。

これだけ見るとLEDモニターには青色領域に大きなピークがあり、危険そうに見えますが、ピークの大きさと有害性には関係がありません。(蛍光灯にはもっと強いピークがいくつかありますが、それによる健康への被害は報告されていません)上に書いたように光の絶対量が重要なので、屋外の一般的な明るさ(輝度:10,000 [cd/m2] )とモニターの一般的な明るさ(輝度:300 [cd/m2] )を考慮してグラフを描くと、このようになります。(縦軸は絶対値)

屋外の方が明るいので当然ですが、昼光の方がLEDモニターよりもブルーライトの放出量が圧倒的(約44倍)に多くなります。他のモニターでも検証した結果、昼光の方が約35〜45倍もブルーライトが多いことがわかりました。ちなみに最近のスマホはどんどん明るく表示できるようになってきています。例えばiPhone 7の最大輝度は約600 [cd/m2]、Galaxy S8の最大輝度は約1,000 [cd/m2]です。しかし、それでもなお屋外昼光に含まれるブルーライトの方が10倍以上多くなります。

LEDモニター vs 従来のモニター

ブルーライトカットメガネの宣伝では、あたかもLEDが従来の光源にくらべてブルーライトが多いように書かれています。本当にそうなんでしょうか?一般的なパソコンやテレビのモニターはLCD方式で、その光源には主にLEDやCCFL(蛍光管)が使われています。今回比較するのはこのLCD(LED光源)モニター、LCD(CCFL光源)モニター、そしてCRT(いわゆるブラウン管)モニター。3つのモニターの明るさ(輝度:300 [cd/m2] )が同じ、白色点が同じ(D65)になるようにシミュレーションした分光分布がこちら。

3つのモニターのブルーライトの量を計算すると、CCFLモニター(0.40)、CRT(0.39)、LEDモニター(0.32)となり、LEDモニターのブルーライトの量が一番少ないという結果(単位:放射輝度 [W/sr/m2] )に。LEDのスペクトルはピークが高いぶん細くなっていて面積(=ブルーライトの量)自体は少なくなっています。

ナナオの研究でも同様にLEDだからブルーライトが強いとはいえないとのこと。

ブルーライトカット率の真実

PCレンズの広告で表示されているブルーライトカット率は正しいのでしょうか。JINSのメガネの波長ごとの透過率(=分光透過率)がこちら。この線をトレースしてシミュレーションに使いました。よく見ると400nm〜500nmの範囲が2倍に引き伸ばされてますね。見えやすくしているのかもしれませんが、研究者的には受け入れがたいグラフ。

JINS PC ライトブラウンレンズは「ブルーライトを約50%カット」と記載されていますが、このカット率はどんな(分光分布の)光をみるかによって変わってきます。380nmから500nmの範囲の透過率を単純に平均すると50.2%になったので、JINSの計算は各波長一定の強さの光をみた場合を想定しているようです。

実際は、ブルーライトをかなりカットしている短波長領域(約430nm以下)に多くの光を放出する光源はモニターなどには使われません。なので、実用的にみればカット率は50%を大きく下回ります。例えばJISで規定されているブルーライトカット率の計算では波長によって重み付けされています。また、神奈川県が15種類のブルーライトカット眼鏡の透過率テストを行なっており、広告に表示されているカット率とJIS規格でのカット率が大きく違うと報告しています。

JINSのPCメガネの分光透過率と、上の3種類のモニターの分光分布を使ってブルーライトカット率を計算した結果がこちら。カット率はクリアレンズが15〜10%、ライトブラウンレンズが35〜30%でした。宣伝されている50%をかなり下回る結果になりました。

JINSに限らずブルーライトカットの眼鏡を購入するときは、各社が独自に計算したカット率ではなく、JIS規格のカット率を聞いてみるといいでしょう。

ディスプレイを暗くすれば同等の効果

ブルーライトカットメガネを買わなくても、ブルーライトの量は減らすことができます。やり方は簡単。パソコンやスマホのスクリーンの明るさを約30%下げれば、色味のあるPCレンズをかけるのと全く同じ効果が得られ、約10%下げれば、クリアタイプのPCレンズをかけるのと全く同じ効果が得られます。

また、明るさを保ちつつブルーライトの量だけ減らしたい場合、スクリーンの白色点をずらして青みを減らす(=黄色くする)のも有効です。先ほどの3つのモニターの分光分布で計算した結果、白色点をD65からD50に変えるとブルーライトの量を約25%減らすことができます。Macならカラープロファイルで簡単に設定できますし、アンドロイドやiPhoneならブルーライトカットのアプリがあります。

ただし、暗くしすぎたり青みを減らしすぎたりして見えにくくなると逆に目が疲れて本末転倒なのでご注意あれ。自分がオススメするのは単純にスクリーンを見やすい明るさ(明るすぎず暗すぎず)に調節して、こまめに休憩しながら作業すること。

PCメガネを使ってみた効果

自分も何日かPCメガネを試してみましたが、少し黄色っぽく見えるだけで目の疲れが軽減されるような効果は感じられませんでした。しかし、普通に生活しているなかでブルーライトの有害性はほとんどないにもかかわらず、PCメガネを使って効果があったという人がかなりいます。これはなぜでしょうか。

多くの場合、プラシーボ(プラセボ)効果という思い込みによるものだと考えられます。人間のプラシーボ効果は非常に強く、治験薬の効果を調べるときなどは必ず考慮されます(参考:武田薬品工業)。

ブルーライトカットメガネの場合にもそのような検証をする必要があります。例えば、被験者を2つのグループに分け、グループ1にブルーライトカットメガネを与え、グループ2には普通のメガネを与えます。このとき、グループ2の人には「ブルーライトカットメガネです」といって普通のメガネを与える必要があります。こうするとグループ1と2に現れる効果は以下のとおり。

  • グループ1:プラシーボ効果+ブルーライトカット効果
  • グループ2:プラシーボ効果

グループ1とグループ2の差をみることで、プラシーボ効果を取り除き、ブルーライトカットメガネの効果のみを検証することができるのです。自分の調べた限り、このようにプラシーボ効果を除いてブルーライトカットメガネの効果を検証した研究はありませんでした。こういう研究はお金を生まないのでなかなか進まないのが現状。

海外からKindleで日本の電子書籍を読む方法

海外に長くいると日本の本が恋しくなってきます。そんなとき役にたつのが電子書籍。特にアマゾンKindle(キンドル)の品揃えはかなりのものです。Kindleの電子書籍を読むにはKindle端末(アマゾンの電子書籍リーダー)を使うか、iPhone、iPad、アンドロイド端末などでKindleアプリをインストールすればオッケー。

 

しかし、海外から日本版Kindleを使うにはいくつか気をつけることがあります。

日本のAmazonアカウントにログインできない場合

アンドロイド端末の場合を例にして説明しますが、基本的にiPhone、iPad、Kindle端末でも同様の手順です。

Kindleアプリを開いて自分のメールアドレスとパスワードを入れてログイン。自分の場合アメリカと日本の両方のAmazonアカウントを持っており、両方とも同じメールアドレスを使っています。この場合、普通にログインするとアメリカ版Amazonにログインしてしまいます。

日本版を使うには、Kindleアプリの「More」を選択し、一旦サインアウトします。そしてスマホの設定画面→言語と入力→日本語(日本)を選択。端末の言語設定を英語から日本語に変更しました。再度Kindleアプリを開くと入力画面が日本語になっています。

最後にAmazon.co.jpのメールアドレスとパスワードを入力すれば無事日本版にログインできます。いったんログインすれば、端末の言語設定を英語に戻してもKindleアプリは日本版のまま。もしもアメリカ版(日本版以外)に切り替えたいときは、同様の手順でサインアウトして言語設定を変更すればアカウントを切り替えることができます。

ログイン後はそのままアンドロイド端末で本を検索・購入してもいいし、パソコンで探して端末に配信することも可能。こちらはパソコンで探した森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」ですが、配信先として自分の端末が表示されています。

海外から日本版Kindle書籍の購入がブロックされたときの対処法

「海外からAmazon.co.jpでKindle書籍を購入できるのは5冊までで、それを超えると「最近引っ越しましたか?」というメッセージが現れ、ブロックされてそれ以上購入できなくなる」という報告がインターネット上で多くあります。実際、takoyakizmさんが海外から日本のKindle書籍の購入についてアマゾンジャパンに問い合わせて確認しており、それをまとめると以下の通り。

  • 日本国内ですでに購入済みのコンテンツは海外でも読める
  • 通常は海外からはコンテンツは購入できない
  • 海外旅行などで一時的に日本を離れる場合を考慮し、数冊は海外からも購入できる場合があるが、その場合でも一定数を超えると海外からの購入はできなくなる

購入が制限されてしまったときの対策は2つあります。大事なのは日本のネットワークに接続し、自分は日本からKindle書籍を購入しているんだ!ということをアマゾンに印象付けることです。

対処法1:VPNを使って日本のネットワークから購入する

VPNとはバーチャルプライベートネットワークの略で、すごく簡単に説明すると以下の通り。

あなたがパソコンやiPhoneからインターネットに接続すると、インターネット上の住所(IPアドレスといいます)が割り当てられます。アマゾンはこの住所を見てあなたが世界のどこからアクセスしているのか知ることができます。VPNはこのインターネット上の住所を好きな場所に変更することができるサービスです。例えばVPNを使えば、アメリカのニューヨークからネットに接続してもインターネット上の住所は「日本の東京」とすることが可能です。

自分が使っているのはTunnelBearというVPNサービス。もう3年くらい使ってますがかなりオススメです。面倒な設定はなく、メールアドレスとパスワードを設定すれば、接続先(Japan)を選び接続ボタンを押すだけで完了。あとはやることが終わったら通信量をセーブするために忘れずに接続を切るだけ。毎月500MBまで無料で使えます。デザインが洗練されていて、接続ボタンをおすとクマが土を掘って土管から頭を出すアニメーションがやたらと可愛らしい笑

パソコン用のアプリもiPhone、iPad、アンドロイド用のアプリも両方あります。日本以外でも、アメリカ、ドイツ、フランス、シンガポール、香港など色々な国のネットワークが使えるのもいいところ。

日本の会社で有名どころはインターリンクのVPNサービス。無料お試しはありますが基本的に有料です。

VPNを使って日本のネットワークから1回購入すれば、海外でも再び日本のコンテンツが購入できるようになります。もしまた制限がかかればこれを繰り返すのみ。自分はこの方法で問題なく日本の電子書籍を読んでいます。イギリス在住のMifofo_tonさん(2017年情報)もVPNをたまに使用しており、冊数制限にひっかかったことはないとのこと。

対処法2:日本在住者に購入してもらう

日本にいる家族か友人に、あなたの(Kindle書籍を購入している)アマゾンのアカウントにログインしてもらい、Kindle書籍を一冊(無料本でも可能)購入してもらいましょう。そうすると制限が外れ、VPNの場合と同じく海外でも再び日本のコンテンツが購入できるようになります。人にパスワードを教えるので、セキュリティ上、パスワードを一時的に変更しておくといいでしょう。購入履歴を見られたくないという方はキンドル用のアカウントを新たに作るのもあり。

Kindle Unlimitedの無料お試しは使うべき

Kindle Unlimited(キンドル アンリミテッド)とは、アマゾンの電子書籍読み放題サービスのこと。月額980円で、最初の1ヶ月は無料でお試しできます。自分はとりあえず無料版で使っていますが、色んなジャンルの面白そうな本を手当たり次第読んでいて、気分は日本の本屋にいる感じです。

退会方法など、詳しくは「英語勉強にオススメなAmazon Kindleの洋書、難易度別まとめ」の記事にて。

アメリカ旅行で使える3つのおすすめプリペイドSIMカード

みなさん、アメリカに旅行に来るときや短期滞在するとき、インターネットはどうしてますか? 携帯やルーターのレンタル? 海外旅行用のデータプラン? 無料WiFiで済ます?

私ならデータ通信がたくさん使えて安いプリペイドSIMをおすすめします。日本でSIMフリーのスマホを持っている方は、ほとんどの場合(スマホ端末によりますが)アメリカのSIMカードがそのまま使えます。アメリカの無料WiFiはレストラン、カフェ、ホテルなど多くの場所で使えますが、実際やってみるとかなり面倒です。逆にいつでもインターネットが使えると街歩きやレストランを探すのに重宝します。

自分の家族や友人が来たときに実際に使用したSIMカードのうち、私がオススメするのはZIP SIM、T-Mobile、FreedomPopの3つです。どれもルーターのレンタルや海外旅行向けのプランと比べると格安。

アメリカのプリペイドSIMカードの比較

ZIP SIM (Ready SIM)

値段:約3,000円
通話・SMS:無制限
データ:1GB
期間:2週間
信用度:★★★★☆

ZIP SIMのいいところは日本のアマゾンで購入できること。日本で購入しておけばアメリカに到着してから即使用することができ、旅行での貴重な時間を無駄にしません。アマゾンでのレビューも高め。2,000円で7日間500MBのプランもあります。

T-Mobile

値段:$30
通話・SMS:無制限(通話は1000分まで)
データ:無制限(最初の2GBは4G LTEスピード、その後は低速)
期間:3週間
信用度:★★★★★

ZIP SIMと違い、日本では購入できません。オンライン注文は可能ですがアメリカの住所が必要なので、現地のストアに直接行って購入するのが得策です。現地ストアで購入するメリットは2つ。

  1. 店員さんがSIMの設定をしてくれる
  2. 万が一、スマホとSIMカードのネットワークの相性が悪くて使用できなかった場合でもレシートがあれば返品出来る

T-Mobileの信用度が高いのは、3つのオススメの中で唯一MVNO業者ではなくキャリアが販売するSIMカードだからです。日本で言えばMVNO業者は楽天モバイル、IIJmio、DMM Mobileなどで、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の通信網を借りてサービスを提供しています。一般的に、MVNOは安いぶんキャリアと比べて回線が遅かったり不安定だったりします。

正式名称は「T-Mobile® Tourist SIM Activation Kit」。詳細はT-Mobileのページ(英語)にて。

FreedomPop

値段:$0.99
通話・SMS:無制限
データ:2GB
期間:1ヶ月
信用度:★★★☆☆

FreedomPopは旅行者向けではありませんが、是非オススメしたいシムカード。特徴はなんといっても破格の0.99ドル!購入はオンライン注文のみ&アメリカの住所が必要なので、現地に知り合いがいる場合やホテルに届けられる場合に限られます。最初の1ヶ月はお試しで通話・SMS・2GBのデータ通信が無料になっていて、1ヶ月以内にキャンセルすれば0.99ドルしかかかりません。

FreedomPopの注文手順を詳しくみる

こちらがトップページ。いかにも怪しげ。笑

 

ZIP Code(郵便番号)とメールアドレスを入力して「GET A SIM CARD」のボタンを押すと、(住所入力を経て)クレジットカード情報を入力する画面に。

ここでひるまずに情報を入力。配達料金を無料にするためにはスーパーセイバー(配達日数10-14日)を選択する必要があります。自分の場合、14日もかからず7日くらいで到着しました。

注文後はマイページにログイン出来るようになり、発送日や追跡番号がチェックできます。こちらがログイン後のページ。あと17日で最初の1ヶ月の無料お試しが終了しますと書かれています。なぜかデータは2.5GBもありました。

 

使い終わったらプランをキャンセルするのをお忘れなく!追加料金を取られてしまいます。キャンセルの仕方は、マイアカウント→アカウントセッティングに進み、ページ下部の「Cancel Account」をクリック。

 

データ通信の容量は何MB必要?

一週間の旅行なら1GB(=1000MB)あれば旅行用として使うぶんには十分。以下を心がければかなりのデータ通信量を節約できます。

  • YoutubeやFacebookなど動画は極力見ない
  • Google Mapをオフラインでダウンロードしておく
  • 使わないときは機内モードにする

注意事項

最後に、アメリカ滞在中にSIMカードを使って快適なインターネットライフを送るには以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • スマホがSIMフリーであること
  • スマホがアメリカのSIMカード(ネットワーク)に対応していること

日本で使っているスマホをSIMフリーにするには?

日本で発売されているほとんどの端末には購入時にSIMロックがかかっています(=SIMフリーでない)。例えばドコモで購入した場合、ドコモのシムカードと回線しか使えません。日本や海外で格安SIMを使いたい場合にはこのSIMロックを解除してSIMフリーにする必要があります。

幸い、ドコモ、au、ソフトバンクのどのキャリアでも2015年5月以降に発売された端末なら約6ヶ月利用後にSIMロックを解除してSIMフリースマホにすることができます。さらにどのキャリアもオンラインで手続きすれば無料でSIMロックを解除することが出来ます。手数料やその他条件などはBACKFLOWさんのブログでかなり詳しくまとめられています。

ちなみにアメリカではSIMフリーのことをUnlocked(アンロックト)と言います。SIMフリーと言っても通じないのでご注意ください。

自分のスマホでアメリカのSIMカードが使える?

「Will My Phone Work?」というサイトでお手持ちのSIMフリースマホが海外で使えるかどうかチェックできます。

下は日本で発売されているiPhone 6(モデル番号A1586は背面に刻印)がアメリカのZIP SIMのネットワークに対応しているか調べた結果。ちゃんと4Gまで対応しています。ちなみにiPhoneは世界各国どのネットワークでも使い勝手が良く、ZIP SIM、T-Mobile、FreedomPopのどれでも対応しています。

 

アメリカ大学院留学の準備はいつから?

自分は大学に入るまで海外に行ったこともなく、留学経験もありませんでした。日本で修士課程に行き始めた頃、ふとアメリカで博士課程をしてみようと思い立って留学準備に取り掛かりました。アメリカ大学院受験に必要なものは、GPA、TOEFL、GRE(もしくはGMAT)、推薦状、志望動機書(Statement of Purpose)、そしてやる気です!細かいところは大学院によって違ってくるので要確認。

準備期間

こちらが自分の留学準備スケジュール。アメリカ大学院の応募シーズンは前年の10月から12月で、早く応募する方が留学先の予算の関係上好ましいです。それに合わせて留学開始の約2年前から動き出しました。TOEFLは1年かけて7回受験、GREも1年かけて3回受験。

1. GPA

GPA(Grade Point Average)とは平均の成績評価値のことで、大学院留学で必要になるのは日本での大学・大学院のGPAです。日本の大学ではだいたい優・良・可の3段階評価で、アメリカではこれが点数化され、優:4.0、良:3.0、可:2.0となります。自分は単位さえ取れればいいと思っていたので大学のGPAがなんと2.6しかありませんでした。笑 アメリカの大学の平均的なGPAは3.1で、しかも博士に行こうとする人ならもっと高いはずなので、2.6はそうとう悪い部類です。GPAが低いせいで日本の奨学金は全くもらえませんでした。しかし無いものは無いので他で補うしかありません。

この記事を読んだ方でちょっとでも留学を考えているなら、今からでもいい成績で単位を取れるようにしましょう。ちなみに留学先以外からの奨学金や、会社が費用を負担してくれる場合には合格率は格段にアップします。

2. TOEFL

現在の方式はTOEFL iBTと呼ばれる形式で、Reading、Listening、Speaking、Writingの4つのセクションで構成され、英語の4つのスキル全てがテストされます。各セクション30点満点で合計120点満点。試験時間がとにかく長くて3、4時間かかり、英語力と同時に集中力が試されます。笑
合格基準はだいたい100点前後。

3. GRE(もしくはGMAT)

GREはVerbal(語学)、Quantitative(数学)、Analytical Writing(筆記)、の3セクションからなるテスト。VerbalとQuantitativeは各170点満点、Analytical Writingは0.5点刻みの6点満点。TOEFLと違い、GREは留学生向けのテストではなくアメリカ人向けのテストなので、Verbalがめちゃくちゃ難しいです。その一方Quantitativeは異常に簡単で、理系の人ならほぼ満点が取れるレベル。MBA留学の場合はGREでなくGMATが必要なケースが多いです。(最近はGREのスコアで代替してくれる学校も多々)

Verbalセクションには穴埋め問題や読解問題があり、選択形式です。例えばこんな感じ。

She volunteered to work in a mathematics class because of her ( ) nature.
1. altruistic
2. baneful
3. candid

アメリカ人でもあまりなじみのない英単語のオンパレードなので、普通の日本人なら選択肢の単語が全て分からないということもザラです。ネット上には「GREは難しすぎるのであまり勉強せずに他に力を注ぐべし」というアドバイスもあるほど。しかし自分でどうにかできるものは志望動機書、TOEFL、GREしかないので、この3つのうちの1つを捨てるというのは非常にもったいないです。自分もそうでしたが、勉強すれば必ず結果が出ます。しかも英単語はGRE用に覚えればTOEFLでも使えるので絶対に勉強すべき。(ちなみに上の答えはaltruistic)

4. 推薦状

だいたい二人からの推薦状が必要で、自分の指導教官ともう一人探せばオッケー。自分は学部4年時の指導教官と修士課程のときの指導教官に書いてもらいました。ほとんど面識はないけれど有名な先生に推薦状を書いてもらうべきか?という質問がよくありますが、自分の留学先の教授は「有名な先生よりも自分をよく知っている身近な先生に書いてもらって下さい」と言っていたので答えはノー。もちろん大学や人によると思いますが。気になったら直接聞いてみましょう。教えてくれないかもしれませんが、何もしないよりはマシ。

5. 志望動機書(Statement of Purpose)

曖昧な表現を使わず、具体例をたくさん挙げて、自分はどういう人物で、なぜ留学先を志望するのかを1、2ページで書きます。志望動機書はかなり大事で、自分は約2ヶ月かけてGrammarlyで何度も添削、その後バイリンガルの先生に頼んで添削、そしてオンラインの有料添削サービスで添削してもらって完成させました。

6. やる気

最後に必要なものは「やる気」。自分は留学開始の約一年前、留学希望の研究室に訪問しました。当時、訪問した方が合格しやすいかなとなんとなく考えていたんですが、大阪の人が東京に行くような軽いノリで訪問はできません。飛行機+宿代+その他諸々で軽く20万円は超えてしまう感じなので学生にはちょっと厳しい。なので自分は、研究室訪問で合格率が上がるのか、直接教授に聞きました。そのときの自分の質問と教授からの回答がこちら。英語が不自然ですが留学前なのでご理解ください。

  • 質問:
    If I visit you, does this give me an advantage to pass the admission by the reason that you can know about me better than just exchanging emails? If so, I’d like to visit you and the laboratory.
  • 教授からの回答:
    A visit certainly helps. It is good both for us to meet you and for you to learn more about the lab and our activities. We would be happy to have you visit sometime if you want to. (But please do not feel that it is required.)

教授はすごく優しく丁寧な人で自分はラッキーでしたが、普通のアメリカ人はこんなに丁寧じゃありません。笑 そんなわけで留学先の教授の言葉もあって研究室に訪問することに決めました。実際訪問すると雰囲気もちょっと分かるし、現実味が帯びてきて留学準備にもさらに気合いが入りました。

自分の留学先はかなり少人数制で、毎年数人しか受け入れていません。入学後に聞いた話では2、30人から応募(ただしアメリカは出願費用が数千円と安いので適当に出願する人も多い)がありその中から選考したとのこと。「あのとき訪問したのは良かったね」と教授から言われました。自分のGPAは最低要件を満たしてませんでしたが、最低要件はあくまで参考で他で挽回できてればいいと言ってました。

というわけで一番大事なのは英語の点数でもなくGPAでもなく「やる気」です!諦めなければ留学できますよ。

TOEFL iBT対策ライティング、オススメの参考書

ライティングセクションは、スピーキングよりも取り組みやすく、比較的高得点が狙えます。純日本人でTOEFL100点超えを狙うなら、ライティングは足を引っ張らないよう25点くらい欲しいところ。自分は最初に受けたTOEFLのライティングが17点、最後が24点(最高25点)という結果でした。

問題形式

ライティング問題は2問あり、解答時間は合計50分。

1. Integrated Writing

スピーキングのIntegrated Taskと同様、リーディング、リスニングが組み合わされた問題。約3分でパラグラフを読み、約3分のリスニングを聞き、その後20分で解答。要約問題で、自分の意見は書きません。ETSによると、良いエッセイは150〜225字。

2. Independent Writing

短い問題文に対し、自分の意見を30分で解答します。ETSによると、良いエッセイは最低300字。問題は、例えばこんな感じ:

Nowadays, food has become easier to prepare. Has this change improved the way people live? Use specific reasons and examples to support your answer.

ライティングのコツ

基本的に練習あるのみなのでひたすら問題を解く、モデルアンサーを見る、自分の文章と比べる、たまに添削してもらう、を繰り返していきましょう。以下、細かい点。

採点基準

ETSによると、両方のタスクで求められているのは以下のとおり。日本人は文法は得意なので、いかに語彙力をつけるか、そしてそれを使いこなせるかが鍵になります。

  • 説得力のある内容
  • 適切な語彙
  • 多様な表現(語彙)
  • ミスの少ない文法

テンプレートは点数にならない

TOEFLはテンプレートで解答することを非常に嫌がるので、テンプレートは文章の大枠を構成する程度にとどめておくのが無難です。例えば、In conclusion, from the above reasons, I consider …というような部分はいくら長く書いても内容がないので点数になりません。参考書などである程度スタイルを確立させたら豊かな表現で内容を充実させることに集中しましょう。

添削してもらう

スピーキングと同じく、アウトプットの学習はときどき評価してもらわないとどんどん自己流になってしまいます。ここでオススメなのが英文を自動校正してくれるグラマリー(Grammarly)。通常使うぶんには無料版で十分で、誤字・脱字、文法など基本的なミスは指摘してくれます。自分は最後の仕上げのときだけ有料版にアップグレードして使っていました。

さらに、自分はウェブトフルのIndependent Writing添削コースを一度受講しました。生身の人間に添削してもらうのはやっぱりためになります。そのぶんお金もかかりますが。

関連記事:アメリカ博士修了者がオススメするオンライン英文校正サービス、Grammarly

使用した参考書

Barron’s Writing for the TOEFL iBT

これだけあればiBT100点目指すのには十分だと思います。練習問題が大量。Writing Sectionは①Integrated Taskと②Independent Taskがありますが、参考書の内容は、①の取り組み方、②の取り組み方、共通して使える役に立つ表現、モデルエッセイという感じ。説明はすべて英語ですが、それほど難しくないですし、英語に慣れる訓練になります。特に良かったのが、②に関するモデルエッセイが185種類!もあること。TOEFL PBTではこの中のどれかから必ず出題されていました。

ちなみに下の参考書がいろんな方からオススメ(Amazonのレビューも高評価)されていたんですが、これはPBT用で古いバージョンです。自分も買ってみたのですが、185種類のエッセイをはじめ、全部内容が上のiBT用の参考書に含まれているので買う必要はありません。

Hackers TOEFL Writing

これはウェブトフルのライティングコースで使用されてた教材です。Web TOEFLの葛山さんも書いていますが、問題がすごく良い。特にIntegralの問題はBarron’sよりもHackersの方が断然いいです。自分の場合、IndependentはBarron’s、IntegralはHackersと使い分けていました。Hackersは韓国の参考書で、解説が韓国語で読めないのが残念なところ。(解答は英語なので問題ありません)しかし、実際スコアもLimited→Goodまで上がったのでかなりいい教材でした。

テック企業の勤続年数と社員の学歴

アップル、フェイスブック、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどなどアメリカには多くのテクノロジー企業があります。最近ではティーンエイジャーに人気のSnapchatが上場。そんな勢いのあるテック企業は比較的勤続年数が短めです。ちなみに勤続年数とは1つの企業に勤務していた年数のこと。

テクノロジー企業の従業員数

まずは名だたるテック企業を従業員数とともにご紹介。データは連結従業員数です。

UberやAirbnbはこれだけ少ない従業員数でもかなりの存在感です。Googleも大企業にしては少なめ。参考までに、日本の企業の(連結)従業員数はこんな感じ。

  • トヨタ:364,445
  • パナソニック:257,533
  • ソニー:128,400
  • ソフトバンク:63,591
  • 楽天:14,134

平均勤続年数

上のグラフでは企業がTitans(いわゆる大企業)とTech Disruptors(比較的新しいテック企業)に分けられています。まず気づくのは、全体的に勤続年数が短い!日本で勤続年数が短い企業はブラック企業のレッテルが貼られてしまいますが、アメリカではそれほどではありません。平均勤続年数の最長はFacebookやGoogle。社員が快適に働いているイメージとも合っています。最短はUberで1.23年。CEOのスキャンダルや社内のセクハラ問題など内情は色々たいへんなんでしょうか。

先進国の平均勤続年数

アメリカを含めた先進国の平均勤続年数がこちら。

参考:データブック国際労働比較2017

アメリカは極端に勤続年数が短くなっています。気になる日本は先進国の中でもイタリアと並んでほぼ最長の12.1年。これが良いか悪いかは言えませんが、日本とアメリカでは労働に対する意識がかなり違っていることが分かります。アメリカでは転職してキャリアアップ、給料アップを図るのが基本です。実際、Bureau of Labor Statisticsによれば、アメリカ人は一生のうちで平均11.7回も転職しています。(日本人的には多すぎるような気もしますが、、、)あと、同じアジアの国でも韓国の勤続年数が短めなのは意外。

企業ごとの学歴の割合

次に、各企業で大卒や大学院卒がどれくらいの割合でいるのか示したグラフがこちら。分類は、不明(Unknown)・大卒(Bachelor’s)・修士卒(Master’s Degree)・博士卒(Ph.D.)となっています。

不明が異常に多いのがちょっと気になりますが、面白いのは若い会社(Tech Disruptors)の方が修士や博士の割合が高いこと。テクノロジーを売りにしているので研究開発できる人材が必要とされているのでしょう。Googleも他社を引き離して博士の割合が高くなっています。

主な募集職種

最後におまけで、各企業が主に募集している職種がこちら。なんとマイクロソフト以外のすべての企業でソフトウェアエンジニアが最も必要とされています。近年話題のデータサイエンティスト(アナリスト)も多くの企業で上位につけています。

参考:Paysa

アメリカ不動産は冬に買って夏に売ると9.2%得する

アメリカ不動産には季節性があり、夏は物件の購入価格が上がり、冬は逆に下がる傾向にあります。同じことが賃貸でも起こり、夏は人の移動が多く、賃貸を探す人が増えるので家賃も自然と上がります。逆に冬に賃貸を探す人は少なく、需要が減るので家賃も下がります。その理由は2つ。

理由1:学校の期間

アメリカの学校は9月に始まり5月に終わります。多くの親が子供の学校の区切りがいいところで引っ越したいと考えているので、夏が引っ越しシーズンとなります。

理由2:ホリデーシーズン

年末年始はクリスマスなどイベントが多いのでこの時期(冬)に引っ越ししたい人はあまりいません。

次にデータをみてみます。下の青線がRedfinのデータから作成した過去5年間のアメリカ全体の平均的な物件価格。アメリカはけっこうインフレするので、インフレ率を考慮したデータ(赤線)も入れています。一年を通してみると、1月・2月に最も安くなり、6月・7月に最も高くなっています。インフレ調節されたデータの各年の最高値を前後の最低値の平均で割って、夏と冬の価格の差を計算すると、「夏の方が冬よりも平均して9.2%価格が高い」という結果が出ました。

季節による流動性

夏はセラーもバイヤーも多く、たくさん取引が行われるので流動性が高くなります。冬はその逆で流動性が低くなってしまいます。こちらが毎月どれくらいの物件取引が行われたか、流動性を示すグラフ。季節性が顕著に出ていて、年によっては夏と冬で物件売買の量に2倍近く差があります。

季節による物件の掲載期間

もう一つ季節性が顕著に現れるのが、物件がマーケットに出ている期間。物件を売る場合には非常に役立つ情報です。夏は掲載期間が30日から60日なのに対し、冬は60日から90日も掲載されています。どうしても冬に売らなければいけない場合、売れるまで2、3ヶ月はかかると思っておかないといけません。逆に買い手の場合、冬の売り手は切羽詰まっているので買い叩ける可能性が高いです。

夏は売り手市場、冬は買い手市場

売り手市場か買い手市場か見極めるには、どれくらいの数の物件が売値より高く(安く)売れたかを見れば分かります。こちらのグラフの縦軸は何%の物件が掲載価格より高く売れたかを示しています。縦軸の値が20%なら、80%の物件は掲載価格より安く売れたということになります。

このグラフをみると、冬は物件が売りたたかれ、買い手市場なのがよく分かります。ただし地域による違いもあり、例えばシアトルやサンノゼはかなり売り手市場(需要>供給)なので、掲載価格よりも高めにオファーを設定しないと購入できないときもあります。

参考:Redfin Data Center

TOEFL iBT対策スピーキング、勉強方法とおすすめの参考書

TOEFLのスピーキングは日本人が一番苦手なセクションです。実際、自分は7回受けて最高22点、最低15点とかなり苦戦しました。純ジャパニーズには厳しいですが、しっかり時間をかけて勉強してなるべく他のセクションの足を引っ張らないようにしましょう。英語の4技能はお互い関係していて、スピーキングの勉強がリスニングやライティングにも役立ちます。

問題形式

問題は全6問で20分と短め。最初の2問が簡単な質問に答えるIndependent Tasks、あとの4問が文章を読んだり聞いたりしたあとに答えるIntegrated Tasks。後半はスピーキング力だけでなくリーディング・リスニング力も要求されます。

1・2問目:Independent Tasks

準備時間:15秒
回答時間:45秒

1問目は、例えば「今まで一番楽しかった思い出は?」など、身近なことについての質問。この質問に対する回答を15秒で考えて、45秒の間しゃべらなければなりません。日本語でも難しい。。他にも「一番尊敬する人は誰か」「どこに旅行したいか」「将来の夢は」など。できるだけ具体的に答えられれば良し。2問目は2つの意見があってどちらに賛成するか聞かれます。例えば、「レストランやカフェで友達と時間を過ごすのが好きな人もいれば、家で友達と時間を過ごすのが好きな人もいます。あなたはどちらが好きですか?」1問目と同じく具体的に答えられれば良し。

3・4問目:Integrated Tasks 1

リーディング時間:約45秒
リスニング時間:60~90秒
準備時間:30秒
回答時間:60秒

短い文章(約100字)を読み、それに関連したリスニングパートを聞き、質問に答えます。問題は例えばこんな感じ。

  • 読む文章はある授業の宿題のプリントアウト
  • リスニングは宿題についての学生男女2人の会話
  • 質問:男子学生は何を主張していますか?(=男子学生の意見を要約せよ)

個人的には1・2問目ほどアドリブ力が必要ないので3問目以降の方が簡単に感じます。

5・6問目:Integrated Tasks 2

リスニング時間:60~90秒
準備時間:30秒
回答時間:60秒

3・4問目のリーディングがないだけで質問形式は同じです。授業の内容を要約したり、2人が言い合っていてどちらの意見をサポートするか理由と共に述べたりします。

採点基準

スピーキングはコンピューターではなく人間によって採点されています。1人の受験者につき3人から6人の採点者が採点し、特定の採点者によるバイアスが排除され、適正な採点基準が保たれています。文法ミスがいくつあったから何点減点、という機械的な採点ではなく、採点者によって総合的に判断されます。以下、ETSの公式ページに基づいた情報。

3つの採点項目

スピーキングには3つの採点項目があります。

  • Delivery(発音とアクセント)
  • Language Use(文法と語彙)
  • Topic Development(話の構造)

日本語にはあまり抑揚がなくアクセントが弱いですが、英語ではアクセントがしっかりしていないと通じなかったりします。アメリカに何年も住んでいるので分かりますが、アクセントは発音以上に大事なので何度も聞いて使いこなせるようにしましょう。話の構造とは、いかに話し上手か、話がまとまっているか、です。

テンプレートを使いすぎない

色々なサイト・ブログでテンプレートが大事!と書かれていますが、テンプレを作りすぎるのはよくありません。ETSの公式サイトで

“Don’t memorize responses before the test, memorized responses will lower your score. They sound different and the content is different.”

とあるように、覚えた文章を「読んで」いるとそれが採点者に簡単に見抜かれてしまいスコアが下がります。

接続語を使って自然にしゃべる

  • Because
  • So
  • After that
  • On the other hand
  • I want to mention
  • What this means is

のような接続語を使って自然にしゃべるように回答しましょう。

回答に構成は必要ない

ライティングのように前置きやまとめは必要ありません。

勉強方法

短期間で伸ばせるのは小手先の技術(テンプレートを覚える、問題形式に慣れる)で、点数の伸びには限りがあります。さらにスコアを上げるには時間をかけて本質的なスピーキング力を伸ばしていかなければいけません。自分を含め、普通に日本で生まれ育った人は英語を話す機会がほとんどないので他のセクション以上に継続的に勉強して体に染み付かせる必要があります。

下に紹介してある「TOEFL TEST対策 iBTスピーキング」などの参考書を使って、想定される問題にひたすら取り組みましょう、できれば毎日。自分は、問題をやって、スピーキングを録音して、聞き直し、ちょっと凹み、モデルアンサーを見て、流暢に答えられるようになるまで復習、を繰り返しました。

スピーキングの練習は1人では限界があり、たまに誰かに客観的に評価してもらわないとどんどん自己流になってしまう可能性があります。周りにそういう友達がいればいいですが、いなくてもDMM英会話レアジョブなどのオンライン英会話で対策できます。

自分の場合、一人で取り組みにくいIndependent Tasksをレアジョブでやってました。講師がTOEFLスピーキングで出そうな質問をしてくれるので、それに回答し、そのまま評価してもらいます。自分がよくお願いしていた先生は「発音が悪い」とか「イマイチだね」とか自分の意見をズバズバとストレートに言う人でちょっと不快ですが非常に勉強になりました。笑

使った参考書

自分がスピーキング対策に使った参考書はただ1つ、「TOEFL TEST対策 iBTスピーキング」。多くの人がオススメしていて、TOEFLスピーキングといえばまずこの参考書です。

問題量が多くてやりごたえがあります。しかもモデルアンサーが2種類ついており、こういう言い方もあるのか、と勉強になります。自分の回答はだいたい具体性に乏しいということにも気づかされました。

最後に、お金を使わず勉強したい方はMagooshがYoutubeにサンプル問題を無料公開してます!

他にも、CIEEがIntegrated Taskの例題を公開していたり、探すと色々出てきますよ。

 

TOEFL iBT対策リスニング、10ヶ月で19点から28点までスコアをあげた勉強法

TOEFLのリスニングは非常に難しいです。なぜかというと、

リスニングが長い。

3分から6分の文章を(メモを取りながら)聞き、問題に答えます。長すぎて内容が把握できなかったり、メモを取るのに夢中で意味が分からなくなったり、集中力が切れてついていけなくなったり、TOEICの短いリスニングに慣れた人(自分を含め)は非常に苦労するセクションです。しかし、日本人にとってスピーキングやライティングを伸ばすのはかなりの時間が必要なので、TOEFL100点超えを目指すならリスニングは高得点(27点以上)を狙いたいところ。

TOEFLリスニングが初めての方はまず以下のサンプル問題をやってみてください。解答は記事の最後。

サンプル問題

問題:
Now listen to a conversation.

質問:
1. What are the speakers mainly discussing?

  • A: Their plans for next semester
  • B: Why the woman can’t go to the concert
  • C: Their favorite band
  • D: Finding a tutor

2. What will the woman do on Saturday?

  • A: Teach a class.
  • B: Mark tests.
  • C: Visit her cousin.
  • D: Go to a concert.

3. What can be inferred from the conversation?

  • A: The woman never works on weekends.
  • B: The man and woman take the same courses.
  • C: The speakers live in the same dorm.
  • D: The man stayed after class for help.

4. How does the male student feel about the woman’s weekend plans?

  • A: He feels sorry for her.
  • B: He is excited for her.
  • C: He is worried about her.
  • D: He is jealous of her.

リスニング問題の傾向

各パッセージは3分から6分のリスニングで、質問数は6問(講義形式)か5問(会話形式)。通常6パッセージで合計60分の試験時間(ダミー問題が含まれる場合は9パッセージ90分)。内訳は講義形式4パッセージと会話形式2パッセージとなっています。講義形式の方が会話形式よりもリスニング時間が長め。

各問題形式はおおよそ以下のような内容になっています。

  • 講義形式
    • 教授が一人でしゃべる
    • 教授がしゃべりつつ学生が質問する
  • 会話形式
    • 学生と教授のオフィスアワーでの会話(授業内容についての質問など)
    • 学生と大学職員の会話(大学の体育館の使い方など、学生から職員への相談)
    • 学生同士の会話(テスト内容に関する話など)

リスニングのスコアを上げるには?

ディクテーションする

リスニングの文章を一文ずつ再生し、ディクテーション(書き取り)します。ディクテーションと言っても(時間がかかるので)ちゃんと書き取る必要はなく、頭の中で文章が書ければオッケー。聞き取りづらいところは何度か聞き、できるだけ答えの文章を見ずに耳だけで聞き取れるようにしましょう。分からなかったところは自分が知らなかった発音なので、復習して忘れないように。

大量の英文を聞く(=リスニング自体に慣れる)

ディクテーションのように丁寧に聞くのも大事ですが、日本では英語に触れる機会が圧倒的に少ないので大量の英語に触れてリスニング自体に慣れる必要があります。これは1日1時間程度の参考書の勉強では全く足りません。リスニングに慣れていないうちは、すべてを聞き取ろうと力んでしまいます。知らない単語が出てきただけで「この単語どういう意味だろう」と考え出し、次の文章が全く頭に入ってきません(経験談)。TOEFLの問題は学術的なので知らない専門用語が確実に出てきます。

リスニングに慣れてくると読むスピードについていけるようになり、多少知らない言葉があっても内容は理解できるようになります。日本語の映画や小説で知らない言い回しがあっても前後の文脈で意味を判断するような感覚です。どうでもいい箇所は聞き飛ばし、重要なところはしっかり聞けるようになります。TOEFLリスニングのほとんどの問題が細部ではなく大枠を問う問題なのでこのスキルはけっこう重要です。(実際留学してもこのスキルは重要)さらに、そこまで集中力を使わずに済むようになり、長時間聞いていても疲れなくなります。

参考書のリスニング問題に長時間、継続的(毎日)に取り組める人は別として、継続してリスニングをこなすには面白いコンテンツが最適です。自分がやっていたことは、

  • TED TalkやYoutubeで興味のある英語コンテンツを見る
  • 英語で映画を見る(できれば英語字幕つき)
  • オーディオブックを聴く(詳しくは別記事にて)

自分はハリーポッターが好きだったので長い通学時間を利用して全巻オーディオブック(アメリカのアマゾンで聴けます)で聴きました。

問題に慣れる

TOEFLリスニングが特徴的なのは、「数分間聞き続ける」ことと「聞きながらメモを取る」こと。この2つに慣れる必要があります。特にメモ取りはやってみると分かりますが、聞きながらメモするのは非常に難しいです。メモをしているときはあまり聞けないのでメモを取りすぎないようにしましょう。メモはあくまで自分が思い出すために必要なものなので、単語を完全に書き出す必要はありません。長い単語は一部だけ書けばオッケー。自分の場合、メモを見て話の流れがだいたい分かる程度にメモしていました。例えば上のサンプル問題をやってみたメモがこちら。

メモを最小限にして、固有名詞や数字が出てきたときだけ書き出すというのもあり。

使用した参考書

自分がリスニング対策に使った参考書は2つ。1つ目は「TOEFL TEST対策 iBT リスニング」。この参考書がいいところは1つの文章が長いこと。基本的に本番より長めで、10分近いものもあり。この長さに慣れておいて本番に挑むとだいぶ楽に感じられます。かなり難しめの問題集です。

 
上の参考書が難しすぎる場合、問題が易しめなアルクの「iBT対応TOEFLテスト完全攻略リスニング」から始めると良いでしょう。

 
最後に、サンプル問題の解答と全文:
1:B、2:B、3:D、4:A
全文を見る
 

TOEFL iBT対策リーディング、文章量に慣れるのが大事

TOEFLリーディングは約700字の文章が3パッセージで60分(ダミー問題がある場合は4パッセージで80分)のセクションになります。日本人が最も得意なのがリーディングなので、このセクションは高得点を狙えます。逆にTOEFL100点超えを目指すならほぼ満点近く取りたいところ。色々説明する前に、まずはどんな雰囲気なのか、下のサンプル問題の一部(第一段落)で体感してください。(答えは記事の一番下にあります)

サンプル問題:

Growth, reproduction, and daily metabolism all require an organism to expend energy. The expenditure of energy is essentially a process of budgeting, just as finances are budgeted. If all of one’s money is spent on clothes, there may be none left to buy food or go to the movies. Similarly, a plant or animal cannot squander all its energy on growing a big body if none would be left over for reproduction, for this is the surest way to extinction.

1. The word squander in the passage is closest in meaning to

  • A: extend
  • B: transform
  • C: activate
  • D: waste

2. The word none in the passage refers to

  • A: food
  • B: plant or animal
  • C: energy
  • D: big body

3. In paragraph 1, the author explains the concept of energy expenditure by

  • A: identifying types of organisms that became extinct
  • B: comparing the scientific concept to a familiar human experience
  • C: arguing that most organisms conserve rather than expend energy
  • D: describing the processes of growth, reproduction, and metabolism

リーディング問題の傾向と対策

ほぼすべての問題は段落ごと

問題は各パラグラフごとに出されるので、文章をすべて読んで解答する必要はありません。効率的に問題を解くには、段落ごとに読み、段落ごとに解答していくのがベストです。上のサンプル問題も一段落しか載せてませんが、そこを読むだけで3つの問題が解けます。

最後の問題は文章要約

リーディング問題の最後はいつも文章要約問題。通常の問題は配点が1点なのに対し、要約問題は2〜4点と配点が高いです。この問題だけは全文を見返す必要があります。完全解答する必要はなく、一部間違えた場合には部分点がもらえます。

完璧な答えよりも最善の答え

難しい問題になればなるほど「あ、これだ!」と思う解答がありません。そういうとき(かなり頻繁にあります)は消去法で確実に不正解の選択肢を見極めます。例えば選択肢にmost、always、neverなどがあると不正解な可能性が高いです。

模擬テストで時間配分に慣れる

TOEFLのリーディングはあまり時間に余裕がありません。1パッセージ20分で、問題数が12から14あるので1問2分以下で解答することになります。ただし、3パッセージ合計して60分なので、極端な話1パッセージに40分かかっても残りの20分で他の2パッセージを終わらせれば問題ありません。制限時間内ならパッセージ間を移動できるので、よくわからない問題はささっと解答して、全部解いてから時間があれば見直しするのがおすすめ。時間配分は慣れなので、模擬テストを解いて感覚をつかみましょう。

リーディング力を鍛えるには?

上で述べた対策はいわば小手先のテクニックで、英語のリーディング能力が本当に高ければ必要ないものです。長期的にTOEFLのスコアを上げていきたいなら本質的なリーディング力を鍛えることと語彙を増やすことに時間をかけましょう。肝はリーディングセクションの文章量に慣れること。自分が教材として使った本は2種類で、両方ともTOEFLリーディング用の本ではありませんが意外と使えますよ!

まずは書店でもよく見かける「速読英単語」シリーズ。文章の読解と単語の暗記、両方を兼ねているオススメ参考書です。文章量がちょうどTOEFLリーディングの1パッセージと同じくらいで、ちょうどいい訓練になります。速読英単語シリーズはたくさんあるので自分にあったレベルから始めるといいでしょう。

 

英語は質より量という考えのもと、いかにストレスなく長時間英語を勉強し続けられるのか考え抜いた結果、行き着いたのがこの「The Japan Times News Digest」。全く知らない、つまらない学術的な内容の文章を英語で読むより、少し背景知識のある内容や興味ある内容を英語で読む方が楽しく勉強できるし、人間は自分に関係していることなら物覚えが良くなるものです。例えばこのvolume 66では、以下のような内容のニュースが英語と日本語でダイジェストされています。

  • 引退の真央さん、運命のソチ五輪では
    Mao said, “I’m so sorry” for the fall
  • テロリストの最新兵器は自動車
    Cars are weapons of the time
  • 北朝鮮ミサイルで日本の漁民が悲鳴
    N. Korea missile threat looms over fishermen

参考書のようなテスト対策ガチガチの文章ではなく生きた英語の文章。案外ここに出てくる英単語がTOEFLに出てきたりします。速読英単語シリーズと同じく、文章量がちょうどなのも良いところ。こちらもたくさんシリーズ作があり、数年前のものは中古で数百円だったりするのでお買い得です。The Japan Times社説集シリーズもあり、こちらはもうちょっと硬い、TOEFL寄りの文章。

自分は当時、英語を読む機会には恵まれており(修士課程の研究で英語論文を読んだり、洋書を読んだり)、かつリスニング、スピーキング、ライティングが駄目駄目だったのでリーディングでは極力精神力を使わなくていいような学習をしていました。なのでTOEFLリーディングの文章に触れるのは模擬テストのみ。ただし、GREにも役立つので単語の暗記には相当力を入れました。TOEFL(とGRE)の英単語学習については別記事に詳しく書いています。

最後に、問題の答え。1:D、2:C、3:B