M-1グランプリで統計、出番順が早いと不利なのか?


みなさんご存知の通り、M-1グランプリは漫才日本一を決める大会です。2016年の審査で上沼恵美子さんや松本人志さんは「トップバッターは(場が温まってないので)不利」と言っていました。自分もなんとなくそう思いますが、実際にネタ見せの順番が早いと不利なのか?審査員はすでにこのことを経験上知っているのでそれも考慮して点数をつけてるんじゃないか?データで統計をとって検証してみました。

大会の概要

M-1は2001年から開催され2010年でいったん終了となりますが、2015年に復活して2022年現在まで合計18回開催されています。毎年、敗者復活戦勝者を含めた9~10組(2001年は10組で敗者復活なし、2002-2016は9組、2017年以降は10組)で決勝戦が争われます。

決勝戦は2ラウンド。

  • ファーストラウンド:審査員の採点を総合しての得点で上位3組が最終決戦に進出。
  • 最終決戦:ファーストラウンドとは別のネタを披露し、審査員が3組で一番おもしろいと思ったコンビに投票して優勝が決定。

データ集め

データソースはWikipediaから。開催年ごとに出場コンビ名、得点、出番順などが記録されています。

出番順の影響を見るためにファーストラウンドの得点と出番順の関係を調べてみました。利用したデータは2001年から2022年までの合計18回。年によって審査員の数が違うので、審査員一人あたりの平均スコア(100点満点)を計算しました。2018年優勝の霜降り明星の場合、審査員7人のファーストラウンド合計点は662点なので、一人あたりのスコアは94.6点(=662/7)となります。

統計結果

ファーストラウンドの審査員一人あたりの平均スコアと出番順の関係です。グレーの丸がそれぞれの出場コンビを示しています。

出番順が最初の場合は平均約86点で、最後の場合は約90点まで上がっています。1〜3番目までは総じてスコアが低く、4番目以降でスコアが高くなっています。つまり、出番順が最初の方(1〜3番目)のコンビは、それ以降のコンビよりも不利だと言えます。しかも、審査員がこのことを知ってるにも関わらず、です。

ところで各出番順で外れ値がいくつら見られますが、これはほとんど第一回目、2001年のデータです。下に書いてますが、2001年は初回ということもあってか審査のばらつきが大きいです。2001年のデータを除くと以下のようになり、かなりスッキリします。また、5番目と10番目の得点が高い傾向にあります。


残念ながらt検定では統計的に有意とは言えませんでしたが、もっと開催年が増えてデータが集まれば統計的にも結論づけられるでしょう。

開催年ごとのスコアの違い

ファーストラウンドのスコアを開催年ごとに見ると面白い結果が得られました。図の形式は上と同じで、グレーの丸がそれぞれの出場コンビを示しています。

年を追うごとに平均スコアは上昇していき、2008年以降は審査員一人あたりのスコアは平均約90点になっています。特に2001〜2004年の上昇率がすごい。これは審査員の点の付け方が変わってきているのか、それとも出場コンビのレベルが上がっているのか、、、自分は前者だと思いますが統計的・客観的には何とも言えません。

2001年のスコアのばらつきが大きいのも気になります。これは初開催ということと一般審査員票もあったりしたのが原因かと思われます。

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