ビットコインとは仮想通貨の1つで、国家が価値を保証しない(コントロールしない)電子マネーです。仮想通貨にはビットコインの次に取引量の多いイーサリウムやリップルを始め1000種類以上あるとされ、今後も増加傾向にあります。
しかし、ビットコインは既存の通貨とは比べものにならないほど価格変動が激しいです。2017年1月から10月の間だけで価格が4倍以上高騰しており、かなりのバブル状態。長期のチャートを見るとこれがよくわかります。
ビットコインが有名になったマウントゴックス事件で価格下落(2013/11-2014/3)が起こり、最近では中国の仮想通貨取引所が取引の全面停止を発表(2017/09/14)し、価格変動がさらに大きくなっています。
今ビットコインを購入している人は、実際にビットコインを通貨として使いたいわけではなく、ほとんどが投機目的でしょう。現在ビットコインは過大評価されすぎており、「靴磨き少年」状態と言えます。長期的にはもっと価格が下がると思われます。以下、その理由です。
靴磨き少年の逸話
ジョセフケネディ(ジョン・F・ケネディの父)は靴磨きの少年から株取引のアドバイスをもらい、1929年の株価暴落を避けることができたという逸話があります。これは少年のアドバイスが直接役に立ったわけではありません。ケネディは靴磨きの少年のように株に手を出さない人たちまでも「楽に儲かる」という噂を聞いて株に手を出し始めているという事実を知り、「こういった人たちが現れるということは相場が天井をつけたということだ」との考えに至ったのです。
少年に限らず、主婦やタクシー運転手、レストランの店員などが同じように株の話をしていれば相場は末期にあると考えられ、暴落していく可能性が高いと言えます。
ビットコインに関して言えば自分はすでに2人の友達+自分の親からビットコインの話を聞きました。これは暴落が近いのかも、、、?
ビットコインの取引量世界一は日本人
下のチャートは通貨別のビットコイン取引量の割合。なんと世界一ビットコインの取引をしているのは日本円で、その割合は世界の取引量の半分以上(日によって変動)。アメリカドル(USD)はアメリカ以外でも使われてたりしますが、日本円を使っているのはほとんど日本人なのでビットコインを取引しているのは大多数が日本人ということになります。
参考:https://www.cryptocompare.com/coins/btc/analysis/JPY
日本での過度な報道が影響しているんではないでしょうか。また日本には株、債券、オプション、先物など魅力的な金融商品が他にあまりないせいかもしれません。
ちなみに2016年までは中国がビットコイン取引量のほとんどを占めていましたが、2017年現在は政府の規制強化でレバレッジ取引ができなくなり、さらには3大取引所がすべて閉鎖される(日経新聞 2017/09/14)ことが上海市の金融当局から発表されました。
ビットコインの危険性
取引所のハッキング、不正、倒産
マウントゴックスのように取引所で不正が行われたり、取引所がハッカーの標的になったり、もしくは取引所が倒産する可能性もあります。こういった場合、自分の預けたお金が全額返ってこないということもかなりの確率でありえます。
犯罪に使われる可能性
仮想通貨は匿名性が高いので、マネーロンダリングなどの犯罪に使われやすいです。実際イスラム国が資金のやりとりで使用しているという噂もあります。
ビットコインのメリットが薄い
ビットコインなど仮想通貨のよく言われるメリットは以下の通りですが、どれも現在の通貨を置き換えるほどのメリットがあるとは思えません。
手数料が安い
確かに安いのかもしれませんが、この恩恵を享受できるのは国をまたいでお金をやりとりする場合のみなので果たして需要があるのでしょうか。日本ならビットコインで支払いできる店を増やすよりも中国人観光客を狙ってAlipayやWeChat Payに対応させた方が需要が大きいように感じます。
送金スピードが早い
日本の電子マネー事情に詳しくないのですが、アメリカではVenmoやChase QuickPayなどでスマホから簡単に送金できますし、送金スピードが遅いと思ったことは特にありません。
自国通貨の信用が低い国で安全資産になる
ウクライナでは戦争や政治的不安定により自国の通貨(グリブナ)の価値が2年間で70パーセントも減ってしまいました。(いくつかのネット上の記事によれば)それに伴いリスク回避先としてビットコインの人気が高まっているとのこと。さらにウクライナでは2017年内に150のビットコインATMが設置される予定。
しかし、自分としては、なぜ仮想通貨なのか?アメリカドルやユーロでいいんじゃないのか?と疑問に思ってしまいます。実際、ウクライナ中央銀行が仮想通貨の規制にまもなく乗り出すと発表(coindesk、2017/8/11の記事)していて混乱の様相を見せています。
別の例を挙げると、ジンバブエでは自国の通貨(ジンバブエドル)がハイパーインフレで千兆ジンバブエドル=1アメリカドルという事態になり、使い物にならなくなってしまいました。ジンバブエでは2015年からアメリカドルが政府公認の公式通貨(Wikipedia)となっています。
ビットコインの仕組みがわかりにくい
自分が仮想通貨は流行らないと思う一番の理由がこれ。マイニングやブロックチェーンといった仕組みは自分もなんとなく知っていますが、それを例えば親に説明して理解してもらうのは非常に困難です。既存の通貨の概念からかけ離れているので直感的に理解しずらく、実際自分でもしっくりきていません。果たしてビットコインの仕組みをちゃんと理解している人がどれくらいいるんでしょうか。