自分は日本に帰るとき、よく海外の銀行から日本の口座に送金しています。今回使ったのがWise(旧Transferwise)というサービス。手数料1%弱、為替はマーケットレートのまま(上乗せなし)という格安で海外送金できてしまいます。2015年頃からチェックしていましたがついに日本円に対応したので早速使ってみてレビューしてみました。(2024年2月、記事更新)
送金方法の比較
Wiseは本当に安いのか?従来のよく使われる送金(換金)方法と比べてみました。比較するのは以下の4つ。
- アメリカ(海外)のクレジットカードを日本で使う
- 大黒屋などの金券ショップで換金
- 銀行送金
- Wise
クレジットカード | 金券ショップ | 銀行送金 | Wise | |
---|---|---|---|---|
送金手数料 | - | - | 数千円 | 約1% |
外貨両替手数料 | 約2~3% | 約2% | 約1% | - |
受取銀行手数料 | - | - | 数千円 | - |
銀行の説明する「手数料」というのは総じて「送金手数料」のことであり、両替手数料が隠れコストとして銀行のレート(TTS/TTBレート)に組み込まれています。銀行送金の比較はこちらのブログで詳しく解説されています。銀行送金の場合、送金額が100万円以上なら送金・受取手数料が無視できるくらい小さくなってクレジットカードや金券ショップよりも安く送金できます。しかし、銀行送金の場合は両替手数料だけですでに約1%かかってしまうので、Wiseが一番安い送金方法です。
ちなみにアメリカには両替手数料(Foreign Transaction Fee)が無料なクレジットカードも存在して、自分の持っているAmerican ExpressのSPGカードはその一例です。自分が日本に帰るときは、極力この両替手数料無料のクレジットカードを使い、現金が必要なときはWiseを使うようにしています。
Wiseを使ってみた感想
使い方は簡単で、送金側と受け取り側の銀行の情報を入れて最後に送金額を入力して終了。と思いきや翌日送金失敗のメッセージが来ました。
どうやら受け取り手の名前をカタカナ表記する必要があったようで変更したら成功しました。対応が迅速で良かった。銀行送金の両替手数料のような隠れ費用がないのがいいところ。レシートはこちら。送金額、受取額、手数料、そして為替レートが明記されています。ここまで透明性がある送金・換金方法は今までなかったんではないでしょうか。
Feeはふつう送金額の約1%ですが、初回だったので割引がありました。こちらのページでWiseの手数料が計算できます。
Wiseの仕組み
なぜWiseでは両替手数料がかからないのか?怪しいサービスじゃないのか?と疑問をお持ちの皆様。Wiseの公式ページや下の動画で詳しく解説されていますが、安い理由は実際にお金が国境を越えて送金されていないからなのです。
Wiseは世界各地に銀行口座を持っていて、例えばアメリカから送金依頼が来ると、そのお金はWiseのアメリカドル口座に行きます。そしてWiseの日本円口座から日本の受け取り銀行にお金が送られるわけです。両方向に送金する人がある程度いればこのシステムが回るのです。うーん賢い。
ちなみに(海外に受け取り手が必要ですが)、日本の銀行から海外の銀行へ送金ももちろん可能です。
Wiseの評判
Wiseは元スカイプ社員が2011年に始めたフィンテックのスタートアップ会社で、評判はすこぶるいいです。Glassdoorでみた従業員の会社に対する評価も5段階中4.8。Googleの評価が4.4、Appleが4.0なことを考慮するとこの評価4.8というのは異常な高さです。Techcrunchの記事でも「黒字化している珍しいユニコーン企業(評価額の高いベンチャー企業のこと)」と評されています。
日本への送金が高くなるかも?
2017年9月29日にWiseからこんなメッセージが送られてきました。要約すると、日本に送金するときは金融庁のルールにしたがい、近々Wiseの日本口座ではなくヨーロッパ口座からSWIFTで送金しますよ、とのこと。これにより、送金にかかる時間が少し長くなります。日本から海外への送金は今まで通り。
We’re waiting on the Japanese FSA to publish a clarification of their views on money transfer regulations before going ahead with the switch. Once they’ve done this, we’ll let you know.
Your money may take a little longer to arrive too. Transfers from Japan aren’t affected.
さらに、ヨーロッパから送金するので手数料が高くなるんではないか、と思い、Wiseに問い合わせたところ、まさにその通りでした。これは早めに送金しておいた方がいいかも?
[2017年12月2日、追記]
この件に関してWiseから連絡がありました。結果から言うと、2017年12月1日から日本への送金額が百万円を超える場合には送金がSWIFT方式になり、手数料が少し高くなりました。内容をまとめると、
- Wiseの通常の手数料に加えて、フラットレートの追加手数料がかかります。追加手数料は送金通貨によって違い、アメリカドルの場合、追加手数料は25ドル。詳しくはこちら。
- さらに銀行間の取引手数料がかかる可能性あり
- 通常のWiseの送金よりも1日長くかかる
送金額が100万円以下の場合にはこの変更は当てはまらず通常のWiseの送金になります。また日本から海外への送金も送金額にかかわらず通常の送金です。
すばらしい情報をありがとうございました。
擁護施設に入ることになった母のために、日本の兄弟に定期的に送金する必要が出てきたので、
毎回、持って帰るわけにも行かずかといって送金の費用も馬鹿にならないので困ってました。
早速、利用してみます。
Hidekoさん、お役に立ててなによりです!
アメリカ在住のものです。日本での短期の仕事があり、一年に一回は帰っていますが、どうしても日本円が必要になることがしばしばあります。日本の銀行の残高が減ってきていて、ついにアメリカから送金せねばとちょうど思っていた時でした。送金=多額の手数料がかかるというイメージだったので気が重かったです。早速Transferwiseを使ってみます。
>まことさん
自分もまさに同じような状況でした。お役に立てて光栄です。
アメリカに住んでいます。緊急で祖母に送金しなければいけなくて困っていました。ありがとうございます!スムースに送金できました!(^ ^)
>ライト泉さん、
お役に立てて光栄です!
情報ありがとうございます、知り合いが使っていたので今回使ってみようと思いアカウント登録しました。今アメリカに住んでいます(海外赴任)がこのサービスは日本に戻ってからも(帰任後)使えますかご存知でしょうか?アカウント開設時にアメリカでの住所などを聞かれ登録しましたが、日本に戻るとその住所は使えなくなります。もちろん銀行アカウントなどはアメリカに残していきます。
>パパさん
はい、Transferwiseからアメリカの住所に何か送ってくるということはありませんので問題なく使えます。