アメリカの会社では、ペイチェックごとにもらう給料は税金が天引き(=源泉徴収: Tax Withholding)されています。この源泉徴収額を調節することで、各年のタックスリターンのリファンド額を調節することができます。例えば源泉徴収額(天引き額)を減らすと、タックスリターンのリファンド額が減ります。源泉徴収額の調節にはForm W-4を使います。
Form W-4
Form W-4とは、Employee’s Withholding Certificateで、雇用者が従業員の給与から適正に源泉徴収を行うことを目的としたInternal Revenue Service(IRS)のフォームです。Form W-4は従業員(=自分)が記入した後、雇用者(=会社)に提出します。
2019年まではForm W-4の「Number of Tax Allowances」の数字を調節(例:Tax Allowanceの数を増やす→源泉徴収額が減る)して源泉徴収額を調節したのですが、2020年からForm W-4が新しくなり、Number of Tax Allowancesの項目がなくなりました。新Form W-4では、IRSのTax Withholding Estimator(https://apps.irs.gov/app/tax-withholding-estimator)を使って、源泉徴収額を調節できます。
IRSのTax Withholding Estimator
給料明細の情報や扶養家族の有無など、必要情報を記入していくと、予測される源泉徴収額(Expected tax withholding)と支払うべき税金の予測値(Anticipated tax obligation)、そしてタックスリターン時のリファンド額(もしくは納税額)が分かります。下の例では$1,931のリファンドがもらえると出ています。
このリファンドを0になるように調節したのが下の画像。源泉徴収額はペイチェックごとに今よりも$215減り、Form W-4のLine 3に$6,485と記載すればよいと書かれています。
最後に「How to Adjust Your Withholding」の項目にある「Form W-4」をクリックすると、下のようなLine 3が記入された状態のForm W-4をダウンロードできます。これを会社に提出すれば完了。
源泉徴収額は多い方がいい?少ない方がいい?
心理的には、タックスリターンのときにたくさんリファンドがあるとボーナスをもらったような得した気分になります。しかし、経済的には損(機会損失)をしています。源泉徴収額が多すぎると、そのぶん無駄にIRSに自分のお金を預けていることになります。預けている間は利子がつきませんし、貯蓄や投資にも使えません。なので、経済的には源泉徴収額を少なくするのがお得だと言えます。ただし、源泉徴収額を0にしてタックスリターン時に全部の税金を払う、ということはおそらくできません。W-4で虚偽の申請をしたり、源泉徴収額が少なすぎたりすると罰金となる可能性があります。(IRSは明記していませんが、ネット上にはそのような情報がちらほらあります)
というわけで「タックスリターンで少しリファンドがもらえる程度」まで源泉徴収額を少なくするのがベストと言えます。