ディスプレイとかカメラとかの色管理に関してはアップルは非常にいい仕事をしてます。一昔前アップルはグラフィック制作用にガンマを1.8と設定してましたが、Mac OS X v10.6 Snow Leopardから一般的なガンマである2.2に変更しました。カメラで撮影する画像のほとんどがsRGBで閲覧するように最適化されているので理にかなっている変更です。最近では新しいカラープロファイルである「Display P3」をiPhone 7で導入したり、相変わらず躍進的。
ディスプレイプロファイルの補正
設定→ディスプレイ→カラーで”Calibrate”(補正)をクリックして設定に入ります。
ホワイトポイントの設定で、「ネイティブ・ホワイトポイントを使用」のチェックを外し、MacBookに合うようにASUSのホワイトポイントを調節。あとは名前をつけて保存して適用して完了。Macだとホワイトポイントやガンマが簡単に調節できるので楽でよい。
ところでこの色温度が5800Kだからといって実際に5800Kの白色点を表示しているとは限りません。ディスプレイを測定してみたら6500K(D65)だったり、D65に設定して測定したらD75に近かったなんてことはよくあります。Apple製品はこのあたりの精度が非常に高いので信用できますが、他のメーカーはちょっと注意が必要。
より正確なディスプレイキャリブレーションをしたい
本格的にディスプレイキャリブレーションがしたい方は、それ専用の機器が必要です。ソフトプルーフィングや画質評価の現場でよく使うのはX-Riteのi1 Display Pro。Easyモードは簡単で誰でも使えて、Advancedモードは多少知識が必要かも。
キャリブレーションが終了すると、ディスプレイプロファイル(iccプロファイル)を出力してくれるので、それをWindowsやMac側でモニターのデフォルトのプロファイルとして設定。
ただしWindowsではけっこうやっかいで、
まずプロファイルを正しく設定するのが一苦労。さらに、プロファイルを設定したにもかかわらずアプリケーションによってはモニターのプロファイルを使わないものもあり、注意が必要です。例えばWindows Photo Viewerは正しく表示してくれますが、Faststoneはモニタープロファイルを適用してくれません。
余談
キャリブレーションやカラープロファイルは万能ではなく、実際のところハードウェアによりけりです。
例えばほとんどのディスプレイはAdobeRGBを表示できないんですが、プロファイルとしては一応選択出来るようになっています。簡単にチェックしたいなら、鮮やかな緑を表示して、ディスプレイの設定を「sRGB」→「adobeRGB」に変えて、緑がより鮮やかに見えればadobeRGBを表示可能、ほとんど一緒なら表示不可能。
別の例では、安いNECのノートパソコンで、ブラックレベルが高すぎる(真っ黒を表示しても黒さが足りない)のでキャリブレーションを行なってみても全く改善されませんでした。これは液晶がバックライトを100%ブロックできてなくて光が漏れてる状態なので、ソフトウェアではどうしようもありません。