アメリカの大学院に留学を考えるとき、重要なのがお金のこと。留学費用は大学院が州立なのか私立なのかと、留学課程の種類(修士、博士、MBA)によって違ってきます。まず、こちらがアメリカ大学院の年間授業料の相場(2017年現在、U.S. News & World Reportから作成)。
大学院の種類 | 年間授業料 |
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私立大学院 | $35,000 ~ 50,000 |
州立大学院(州内) | $10,000 ~ 25,000 |
州立大学院(州外) | $25,000 ~ 40,000 |
MBA | $65,000 ~ 70,000 |
ハーバードやスタンフォードなどアメリカの有名大学はほとんど私立なので、そういうところに留学しようと思うと学費は年間400万円ほど。MBAだとさらに高額になり年間約700万というとんでもない金額です。州立大学院の授業料は州の税金が財源になっているので、州内在住の学生の方が州外在住の学生よりも安くなっています。修士課程と博士課程の学費は基本的に同じですが、授業料免除額が異なります。詳しくは下に。
学費は年々増加
アメリカ大学院の学費は年々増加しています。以下のグラフは20年間のアメリカ大学の学費の推移。私立大学(緑色の棒グラフ)をみると、2002年から2017年で学費がなんと2倍になっています。
自分が留学していた私立の大学院も、2011年入学当時の学費は$34,000でしたが、2017年では$44,000になっていました。
奨学金・授業料免除
授業料が高額なアメリカ大学院ですが、実際のところ額面通りの授業料を支払っている人はほとんどいません。さらに額面では高額な私立大学院の方が、いい人材を獲得するためにお金を出してくれる(=授業料免除してくれる)ことが多いです。もちろんケースバイケースですが、一般的には以下のようになっています。
- 博士課程の場合、授業料は基本的に全額免除
- 修士課程とMBAの場合、数割から5割の免除
合格時に自分がどれくらいの授業料免除を受けられるのか分かります。残念ながら芸術系や文系のコースは例外で、授業料免除となるケースは稀です。
一方、外部の財団の奨学金や社費で留学する場合、大学側は予算を確保する必要がなくなるので合格率が上がります。ただし、奨学金は競争率が高く、審査に通るのはかなり難しいです。自分は大学のGPAが平均以下で特に目立った研究成果もなかったので各財団の奨学金には全く通りませんでした。
生活費用はTAやRAで賄う
一般的にアメリカ大学院生の生活費用はTA(ティーチングアシスタント)やRA(リサーチアシスタント)で賄うことができます(MBAは例外)。RAは教授の研究の手伝いで、TAは授業中の手伝いやテストの採点などの雑用です。研究ができるとあってRAの方が人気ですが、RAの仕事が学生の人数分あるとは限りません。また、専攻によっては予算がかつかつだったりしてRAやTAの仕事を探し回らないといけない場合もあります。手取り月収はアメリカどこでも約$2,000。田舎なら余裕で生活できて、都会ならちょっと厳しいくらい。一応週20時間勤務が上限となっていますが、研究なのであまり関係ありません。これもケースバイケースなので留学希望先の大学院に聞いてみるのが一番です。
出願費用(Application Fee)
アメリカ大学院の出願費用(受験料、検定料)は日本より安く、$35から$125くらいが相場です。ただし、MBAの場合は値段があがり、有名校の出願費用はおおよそ$200から$250となっています。
個人の経験談
最後に、自身の体験談をもとに留学費用に関する記事を書いてくれている人をご紹介。THE RAD VISIONARYさんの記事ではティーティングアシスタント(TA)、リサーチアシスタント(RA)について詳しく書かれていて参考になります。
- 私立の理系大学院博士課程に留学した自分
- 私立、Georgia Institute of Technology博士課程の中村拓磨さん(鳥人間コンテストにも出場)
- 州立大学院でSport Management専攻のKさん
- カリフォルニア州立大学Davis校の大学院に留学していたTHE RAD VISIONARYさん