毎年2〜4月はアメリカでは確定申告(タックスリターン)の季節です。自分の場合、博士課程在籍中はGlacierという大学から指定されたNonresident Alien用のサービスを使っていました。アメリカの会社で働き出してからはH&R Blockの税理士に頼んでいたのですが、家を買ったり株を買ったりしてタックスリターンが年々複雑になり、2017年の申請費用は$450もかかりました。なので2018年は多くの人が使っているTurbotax(ターボタックス)を使ってみることに。結果から言うとTurbotaxは非常に使いやすく、低コストでタックスリターンを申請できました。Turbotax Premier(株や不動産があるので)を使って合計$133でした。
以下、Turbotaxのレビューです。
概要
Turbotaxは直感的に使える税金申告サービス。下のスクリーンショットのようにQ&A方式で必要項目を入力していくと書類が出来上がります。入力した金額に応じてどれくらいの払い戻しがあるか、リアルタイムで分かるのも良い点。
Turbotaxにはブラウザーから使えるオンラインバージョンとCDでインストールして使うソフトウェアバージョンがあります。自分が使ったのはオンライン版です。オンライン版だとアカウントにずっと記録が残るので、過去の申請がどうだったかチェックするのに役に立ちます。
Turbotaxの無料版と有料版の違い
TurbotaxにはFree Edition、Deluxe、Premier、Self-Employedのプランがあります。(さらにお金を払うと税理士に頼めるturbotaxliveというプランもあり。)会社からもらうW-2フォームのみで、特に税金控除するものがない場合は無料版で事足ります。
逆に有料版を使う必要があるのは以下のような場合。
- 去年のタックスリターンの情報をインポートしたい場合
- 医療費や仕事関係の経費を控除したい場合
- 住宅ローンの金利や固定資産税を控除したい場合
- 自営業の場合
- Health Savings Accountがある場合
どのプランが自分に適切か分からない場合、まずはフリーのプランから始めれば大丈夫です。情報を入力していくうちに、どのプランが適切かTurbotaxが勝手に判断してくれます。また、締切(4/15)が近くにつれ、値段が徐々に上がっていくので早めに申請することをオススメします。私の友達紹介リンクからTurbotaxにアクセスすると$10〜$20引きが受けられるのでご利用ください。
Turbotaxと他の税金申告ソフトとの比較
アメリカでよく利用される税金申告ソフトにはTurbotax、H&R Block、TaxAct、FreeTaxUSAがあります。それぞれの特徴をまとめてみました。
Turbotax
人気度:★★★★★
値段の安さ:★★★☆☆
使いやすさ:★★★★★
一番多くの人が使っているTurbotax。使いやすさは前述したとおりです。その分割高になっているのが唯一のデメリット。
H&R Block
人気度:★★★★☆
値段の安さ:★★★☆☆
使いやすさ:★★★★★
Turbotaxよりも人気は少し劣りますが、その分ちょっとだけ割安なのがH&R Block。Turbotaxとほとんど同じで簡単に申請ができます。初心者向け。
TaxAct
人気度:★★☆☆☆
値段の安さ:★★★★★
使いやすさ:★★★☆☆
TurbotaxやH&R Blockに人気は劣るがFreeTaxUSAほどではない、というのがTaxAct。安い分、初心者には難しく、申請に時間と労力がかかります。
FreeTaxUSA
人気度:★☆☆☆☆
値段の安さ:★★★★★
使いやすさ:★★★☆☆
無料版でもほぼすべての主要なフォームがサポートされています。州税の申告には$12.95が必要。TaxActと同じくあまり使っている人がおらず、初心者には不向き。
詳細な比較はHappy Money USAの記事によくまとめられていますのでご参考ください。
タックスリターンのスケジュール
書類を受け取った時期と確定申告の時期をまとめてみました。
1月下旬:会社からW-2フォームが届く
2月中旬〜下旬:各銀行から1099(利子や株の利益)や1098(住宅ローン)が届く
2/25:TurbotaxでFederalとState両方に申請
3/5:Federalからのタックスリターン($2,054)が銀行に振り込まれる
3/11:Stateへの支払い($177)が完了
会社からのW-2フォームしかない人の場合はすぐに申請ができるかと思います。申請時期が早ければ早いほどタックスリターンが処理される日数も少なくなります。ただし、2017年は3月になって届く書類があったりしたので、自分のように書類がたくさんある人は注意が必要です。
結局、Federalから$2,054が戻ってきて、Stateへは$177の支払い義務があったので差し引き$1,877が返ってきました。ボーナスをもらったような気分ですが、実際は自分のお金が返ってきただけでむしろ損している($1,877の運用益分)くらいです。(なので2019年は源泉徴収を少し減らしてみることに。その話はこちら)
100% Accurate Calculations Guaranteeは誇大広告?
Turbotaxの宣伝で「100% Accurate Calculations Guarantee」とあり、「タックスリターンが間違ってたらTurbotaxが保証してくれる!」といった印象を受けそうです。しかし、よく説明書きを読んでみると以下のようにあります。
If you pay an IRS or state penalty or interest because of a TurboTax calculation error, we’ll pay you the penalty and interest.
IRSのフォームにはこの数字とこの数字を足して‥とかこの数字からこの数字を引いて‥といった計算が各所に登場します。Turbotaxはその計算の正確さを保証しているだけのようです。こういった計算は人間が手でやっているわけではないのでミスすることはありません。言い換えれば「計算ミスは保証するけど、あなたの入力ミスは保証しません」ということでしょう。上手い宣伝文句ですね。